見上げた空は広かった
アルベルト 1. 2 天才に求められる最初で最後のものは真実の愛だ
それからというもの俺はよくハナにメールをした。
ハナも暇な時さえあれば俺にメールをした。

「今日、暇?」

ハナからのメールの返信は大体すぐ来る。

「いつも暇だけど」
「飲みに行かない?」
「いいけど何時?」

こんな風にいつも俺たちは思い立ったら会っていた。

不思議と俺はたまに無性に彼女に会いたくなる。
きっと見知らぬ土地に来たばかりで内心穏やかではないからだろうか。
ローマにいた頃は建前でも友達がいた。
今ここには俺と俺の過去とそしてそれを消し去ってくれるドラッグしかなかった。


ハナは相変わらず君と重なる。
どうしてだろう。
ハナは髪の毛だって茶色いし目の形も奥二重で全然違う。

ハナも君も小柄なのは同じだけれども年齢も人種も違う。


でもいつもハナは彼女と重なる。
だから俺はハナを呼ぶのかもしれないー。
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