恋のお勉強はじめました!〜まずはキスから〜
「え、エレベーター止まってるじゃない!」

ほのかは叫んでドアを叩いた。

「ど、どうしよう、故障?」

あ、ダメだ。

叩いたりして、もし落ちたりしたらー

くっくっと、背後で男が笑っている声が聞こえて、ほのかはガッと振り返った。

「何、悠長に笑って・・」

男は、腕を組んで壁に背を当てたまま笑って言った。

「今気づいたんだ。」

え・・・?

ってことは、この人はもっと前から気づいてたってこと??

「ちょっと、分かってたなら早くなんとかなさいよ!どこよ、どうやって外に連絡するのよっ!」

もうっ、金持ちってのは焦るってことはないのかしら・・

「その様子だと、もう泣かないかな?」

「はぁ?何言って・・」

男は首から下げたIDカードをエレベーターのボタンが並ぶ、1番下の何やら機械のようなところにピタリと当てた。
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