ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~

きっとこのお断りも想定の範囲だったのだろう。
内海さんはそれを受けても特に驚きや落胆もなくこう言った。

『そうですが、お互いもっと知り合う機会を作る事もしてはくれないですか?
短時間ですが一緒に過ごしました。
俺は信用にも値しないですか?』

信用には充分値する。
なにしろ弥生が即懐いた事からして人としてかなりイイ人であるのはよく分かる。

だからこれはホントに私の気持ちの問題なのだ。

高収入のイケメンなんて信用出来ないってある種のトラウマみたいなもんだ。

前夫も高収入イケメンであったから。


これはただノーでは引かないか


『私の前夫なんですけどね、世間的に高収入のイケメンだったんですよ。
まぁ、そこに惹かれてたわけではないけどお付き合いして子どもができて籍を入れて一緒に暮らしだしました。』

『でもね、前夫は職業柄不規則勤務なのを逆手に取って浮気してたんです。私も妊娠しつつも国家試験に向けてひたすら勉強してたのでその事には気づかなかった。』

『前夫の浮気が発覚したのは私が出産で入院した産婦人科でです。
陣痛が来て入院するので行った先の産婦人科に浮気相手が居たんです。妊娠4ヶ月でね。』

『しかも浮気相手は結婚して妻が居て出産間近な事も知らず自分と結婚してくれると思ってたし夫もそう言ってたって叫ぶんですよ。これから産むって私にね。』

『なかなかの修羅場でしょ?私の両親も居て前夫は言い逃れられる訳もなく。私もブチ切れて言ったんですよ。』

『こんな妊娠中から頼りにもならず果てには浮気相手を妊娠させるような奴は父親として必要ないから慰謝料と養育費一括請求するから首洗って待ってろ馬鹿野郎!』

『出産にも立ち会う必要ないし今すぐここから去って下さいね。浮気相手さんこんな馬鹿野郎熨斗つけて差し上げますけどお金はほぼ無一文で放り出すので覚悟して下さいね!』

『そういって出産翌日には弁護士通して取り決め交わして即離婚しました。そんな事からもう高収入のイケメンとかそもそも結婚自体が必要ないって気持ちなんですよ。』

そう一気に話した。
本当に結婚した相手が悪かったけども、本当に結婚はもうこりごりよ。
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