【短編】君と卒業式
楽しかった思い出ばかりが浮かんできて、カヨちゃんの泣き顔を見て、卒業式はとっくに終わったっていうのに、涙が全然止まらない。
みんな離れちゃう。
卒業式の歌なんて、練習してる間はなんとも思わず歌えていた方なのに、いざ本番歌い出すと、歌詞が鮮明に入ってきて、それがまたみんなの泣き声と混じっていたから、私の涙腺も歌い出しでぶっ壊れた。
しかも、指揮者のエンドウくんまで泣いちゃうんだもん。
泣かない方が少ないって。
ど田舎で、クラスも少ない中学校。
なんだかんだ、休みの日はよく同級生に会っちゃったりして。
もう家族みたいな感覚になっていたから余計。