最後の恋
「この後、彼に連絡してどうするかはお前に任すけど、このままあの部屋に戻るのは今日はもうやめた方がいい。心配しなくても、俺と同じ部屋じゃないし早く受け取れよ。ホラ…」


そう言って最後にいたずらな笑みを少しだけ見せたタケが、キーを更に私に突き出してきた。


「別にそんな心配はしてないよ。でも、ごめんね…迷惑かけて。」

「だから…俺たちの間に遠慮はなしって何度も言ってるだろ。」

「ありがとう…でも部屋代は自分で払うから。ここまで連れてきてくれただけで感謝してる。」

「そんなことは気にしなくていいから」

「でも、こんな高そうなホテルの部屋代まで出してもらうわけには……

「俺が勝手にしてることだからお前は気にしなくていいって言ってんの!それより、一ノ瀬君には言わないつもりなのか?」


タケはそれ以上私にはなにも言わさず、これからどうするのか…話をそっちの方向にシフト転換する。


「…余計な心配はかけたくないし、それにやっぱり何かをされたわけでもないし…
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