悪魔と教会の花
通い詰めるうちに、20歳を迎えた。
そして、ついに現れたのだ。
「どうして、この場所がわかったんですか。」
急に後ろから声がして、驚いたのは事実だ。
本音を言えば、半信半疑だった。
天使なんて、架空の生き物だと思っていたから。
恐る恐る振り返ると、
そこには 白の髪と黒の翼を持つ悪魔がいた。
彼女の綺麗な金の目を見て、シアは違和感を覚える。
どこか悲しそうで、戸惑ったような表情。
悪魔は構わずシアに歩み寄り、繰り返した。
「どうして、わかったんですか。」
「……俺にもわからない。」
シアは正直に打ち明けた。
下手に誤魔化す気もなかったけれど。
少しの間、互いに目を見つめる。
それから悪魔は、隣に座った。
先程までの警戒心は消えているようだった。
「その花。名前を知っていますか?」
「うーん。聞いたこと、ないかな。」
「………私も、思い出せない。」
隣から ポツリとこぼれ落ちた声。
きっと心の中だけに留めておきたかったのだろう。
彼女はハッとして なんでもありません、と続けた。
風が葉を揺らす音だけが聞こえる。
ふと、彼女の横顔を覗く。
とても美しい。
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