幸せになってもいいですか?
幸せになる…権利
『で、でも…』
「それに、貴方らしくないのよ。堂々とキラキラ輝いて颯爽と偉そうに歩く貴方の姿…私、嫌いじゃないの」
そう言い終わると
染川優奈は立ち上がり玄関へ向かった
「幸せにしてもらうんじゃなくて、自分が一緒にいて幸せって感じる人…そういう相手を探しなさい」
カチャ、と玄関ドアが施錠される音で
ハッとし、玄関へ急いで向かった
だが、染川優奈はもう行ってしまった
『…もしかして、励まされた?』
玄関のたたきにペタリと座り込み
手で前髪をかきあげた
私らしく…か、
嫌いじゃないって何よ
別に好かれたくないわよ
そう思いながらも
心が晴れて行った