幸せになってもいいですか?


夕食は一緒に食べよう、と
前から誘いがあった
でも、遅くなるわけにはいかない

9時までには帰ります、と前置きをし
早めに食事を摂ることにした


「紗枝ちゃん、すまなかったね」


そう謝ってくれるとしさん
それは多分、人事のことだろう
でも、もう済んだこと


『久慈くんは、ちゃんとやってますか?』


「まぁ、まだまだだがな。でも、見込みはある。相手にも好評だ」



ニコニコしながら話すとしさん
外回りや接待にまで
駆り出されている久慈くん
それは、常務秘書としと
認められている証拠だろう


『今後とも、ご指導の程よろしくお願いします』


それは、元常務秘書として
久慈くんの先輩としてのできることだ

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