胸いっぱいGYU

とりあえずオレは抱きついてきた香奈を振りほどいた。


「どうなってるんだ?香奈・・」

「・・・」

「花園が倒産って本当なのか!?」

強く問いつめるオレに香奈は無言で頷いた。

「・・そうか・・」

香奈からその事実をハッキリと肯定されたことによってオレの中ではすっかり他人事になっていた。



オレはいつもどおりのテンションに戻りすでに用のなくなったこの部屋から出て行こうと玄関まで歩いた。


「待って!諒!!」

後ろから香奈が追いかけてきて今度は後ろから抱きつかれた。

「なっ・・!」


「いかないで!!諒!」

「は!?」


香奈の意外な言葉にオレはだいぶとビビった。

コイツ自身、今オレなんかにかまっている余裕なんかないはずだ。


そう・・オレは香奈の呪縛から解放された・・。

そう思っていた。


・・・なのに・・

なんで・・香奈はまだオレを縛ろうとするんだ・・?


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