モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム




「こっちは遊びじゃないんすよねー」



と言いながら勝てるかもしれないタイミングを見計らう。



「部長さ、好きな子いるでしょ?」


と冗談半分で聞いてみると、部長はいきなり顔を赤くして固まってしまった。




――よし!!
でもまだ素早く動けそうだな……



最後に、もう一発!



「………それって私の事だったり?」



そう言うと、部長の足は少しガクッと下がった。



――よし!! 全然集中してない!
いける!!!




今日まで必死に練習したステップを綺麗に決め、



部長を抜き負かした。




え? マジで?




平然を装いながら部長の方へ振り向くと、その場にヘタレ込んでいた。



「桑野、お前………さっきの卑怯だろ! 今のはナシだ!!」



はぁ!!!?
二度もこんな技通用するワケないでしょ!



「手も足も出なかったクセに、潔く負けを認めてくださいね~」



「な………!それに別に、俺は………!!!」



と、言いながらも部長の凄い汗。



おまけに顔真っ赤だし、
コレで嘘とか、そんなの言わせないよ。




「………部長、愛してますよ」




*おしまい*





< 303 / 336 >

この作品をシェア

pagetop