もう一度、あなたに恋していいですか
エピローグ~雨宿りの彼~

今日は雨。
最近は毎日雨ばかり降っている。

前までは雨が降ったら憂鬱で仕方がなかったのに、今はあの雨宿りのときの彼を思い出してすこしワクワクする。

あの日の虹、綺麗だったな。

こんなに毎日雨が降っているのに、虹は姿を見せない。
すこし寂しい。

「お昼ご飯お先です」

そう言って私はオフィスを出る。

お昼時だから混んでいるだろうか。
今日はあの店のオムライスにしよう。

1階について外に出ようとしたとき、雨が降っているのをみてはっとする。

傘を持ってくるのを忘れた。

私はすぐに引き返して、閉まりかけているエレベーターに飛び乗った。

「ごめんなさい!開けていただいてありがとうございます」

エレベーターのボタンの前にいた男性にそう声をかけて、息を整えてから顔をあげる。

私は驚く。
彼も驚いていた。

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