好きになった彼は幽霊でした。

廊下で夏菜ちゃんと別れると、いつもと同じように席に着く。今日もいつもと変わらない日が始まると思うと憂鬱でしかたない。


机にこつんと頭を付けると自然と眠くなる。
ここのところ、夜も優馬君に会っていてあんまり寝ていないせいか、すごく眠い。うとうとしてくる…。


完全に睡魔に襲われる前にチャイムが鳴り、私は体を元に戻して、授業の用意をする。


しかし、眠気は簡単には居なくなってくれなくて。


私は授業中だというのに、ノートに書き写す体制のまま、一瞬記憶を手放してしまった。


いけないっ…一瞬寝ちゃってた!
ちゃんと集中しなきゃ…!


私は軽く頭をぶんぶん振ると、再びノートに書き写し始めた。


……優馬君に会いたい。
はぁ……早く夜にならないかなぁ。


それからの午前の授業中は優馬君の事ばかり考えていた。お昼になり、購買に行ってパンを買う。


今日はいつものサンドイッチがなかったから、苺ジャムのコッペパンにした。

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