好きになった彼は幽霊でした。

初めてで少しドキドキする。今までは行く人も居なかったから、こんな所に目も向けなかった。


「あっ、可愛いっ♡これ、お揃いでつけようよっ!」


夏菜ちゃんが手にしてるのは、願いが叶うとうたったクマの形をしたキーホルダー。首にはキラキラしたモノがついている。


いろんな色があるけど、それぞれに意味があるらしい。夏菜ちゃんが持ってるのは、ピンク色の恋愛成就のものだ。


「雪姫ちゃんの恋と私の恋が叶うように!」


「夏菜ちゃんも恋してるの?」


「当たり前だよ〜♡私の好きな人はね、中学校の時の原田先生なのっ♡」


「えぇ!?そうなの!?」


原田先生といえば、古典の先生で、授業が分かり易くて、優しくて、かっこいいと女の子から人気だったと記憶してる。


「お互い難しい恋って事だね!でも私、絶対諦めないからっ!雪姫ちゃんも頑張ろっ!」


「うん…!」


夏菜ちゃんもきっと辛くて泣いたこともあるんだろうな。それでも笑顔でいるって…夏菜ちゃんは強いなぁ。私も見習いたいよ。


それから私達は更にお店を回った。
途中で金環日食のコーナーを見つけて、専用のサングラスを購入した。


寮に戻ったのは夕方6時過ぎだった。
時間も時間だったから、そのままカフェで夕食を食べて部屋に戻った。

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