好きになった彼は幽霊でした。

「だーめ、無理しないの。…って、無理させた俺が言うのもなんだけど。俺は明日もいるから、ちゃんと寝なさい。」


「…やだ。少しでも長く一緒にいたいし、またいつ居なくなっちゃうか…不安なんだもん…。」


私、いつからこんなに我が儘になったんだろう。


困らせちゃダメなのに。迷惑なのに。


「はぁ……じゃあ、ここで寝る?嫌なら部屋で寝なさい。」


でも、ごめんね、許してね、優馬君。
私、優馬君と離れたくないの…。


「嫌じゃない……ここで寝る。」


「え…マジで?」


予想外の答えだったらしく、すごく驚く優馬君。


「うん。私、同室の子に話してくる!」


「あははっ!もう…雪姫ちゃんには敵わないよ。分かった、ここで待ってる。寒いから毛布か何か持ってきなよ?」


「うん!」


私は優馬君に手を振って、一旦図書室を後にした。

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