彼が一目惚れしたのはお嬢様のメイドでした。

一章

朝私は目を覚まし、カーテンを開ける。


清々しい朝だ。


外には美しい自然と街が沢山、


「よし、今日も頑張るぞ。」



いつもの独り言を良い、身支度を済ました。


私は今年で16歳になる。父と母が亡くなってからここでお嬢様のメイドをしてきた。


メイド服の腰のリボンをｷｭｯと結び、パンプスを履いてから、昔の幼馴染みの男の子から貰った月のピン止めを髪に鏡を見ながら付ける。


このピン止めは昔の幼馴染みから貰った大事なものだ。



お嬢様も似合っていると言ってくださったもので、今では私のチャームポイントとなっている。




「よしっ」





私はドアを開けお嬢様を起こしに行った。



お嬢様の家の廊下は迚長い、5mほど歩く度に高そうな置物や、花瓶、彫刻など、ありとあらゆるものが置かれている。


天井は高く、上品で、派手すぎもなく清楚である。





私はお嬢様の部屋にたどり着いた。




コンコン、




ノックを二回繰り返す。


「失礼します。」



ドアを開けると、ベッドで小さな寝息をたてているお嬢様がいた。


お嬢様の寝顔は迚可愛らしい。


お嬢様は今年で18歳の誕生日を迎える。


私はカーテンを開き、お嬢様の肩をﾎﾟﾝﾎﾟﾝと叩く。




「お嬢様、朝ですよ。起きてください。」




「うぅ…ん」





「お嬢様、朝です。」





「ぅ…雪、貴方は起きるのがいつも早いわね。」



「お嬢様を起こすのも私のお勤めですから。」




私がそういうとお嬢様は体をゆっくりと起こし、笑顔になる。





「おはよう、雪。今日も良い天気ね。」





「おはようございます、お嬢様。」



お嬢様は立ち上がり大きいドレッサーの前で座る。


私はその間にお嬢様のクローゼットから今日にぴったりの服と靴、それからアクセサリーを選んだ。




「さあ、御召し物に着替えて下さい。」



お嬢様が服を着た後はお嬢様の紙をブラシで整えた。



「お嬢様は髪が綺麗ですね。」



「そんなことないわ、雪も綺麗じゃない。」


「い、いえ、そんな。」


お嬢様がｸｽｸｽと微笑みながら私の方を鏡に反射を利用して見つめる。


「雪のピン止め綺麗ね。」



「これですか。」


私はお嬢様によく見えるような角度で見せた。



「よく似合ってる。幼馴染みにもらったものなのでしょう？良いわね。その子は今何をしているの、？」


私は少し考えた。


迚仲が良かったのだけれど、凄く昔のように感じられてどんな子だったか、名前さえ忘れていた。



でも私とお揃いの月のブローチを持っていた。




「難しい顔をしているけれども、何か嫌なことでも思い出させてしまったかしら。」



お嬢様は心配そうに私に問いかけた。




「いえ、大丈夫です。迚昔のことのようで、忘れてしまいました。ごめんなさい。」



「謝らなくて良いのよ。でも相手を忘れてしまってもそのピン止めを大事に毎日着けているということはそれだけその幼馴染みの彼を思っているってことね。」



「そうでしょうか。」





そんな話をしている間にお嬢様の髪がまとまった。





「出来ましたよ。」




「ありがとう、雪には迚感謝しているわ。」





お嬢様は立ち上がりドアの方に向かったので、私はそれに会わせてドアを開けた。




「どうぞ。」



「どうも。」






私とお嬢様は廊下を歩き出した。