時を超えて君想ふ

日常の1ページ

見慣れた景色に見慣れた光景

「チカ様!おはようございます!」

『うん、おはよう』

笑って、挨拶をする

「チカ様ああ!」

その声の主にヒラヒラと手を振る

「チカ様ーー!」

「きゃー!今日もかっこいい!」

「ステキぃーーーー!」

学校に近づくにつれて、
そんな声は大きくなり、なぜか歓声に変わる

この状況は一般的なのか?と聞かれたら、
首を縦に振ることは難しいだろう

でも、日常と化した今の状況はボクにとっては当たり前なこと

初めのうちは戸惑ったけど、
中学2年生の時に小中高一貫のココに転校して
早数年。現在、高校3年生の6月。

ボクは自分の容姿が一般的ではないことに気づいてしまった
これは嫌味ではない、事実である
ナルシストみたいだが、睡蓮の花言葉の由来となったナルキッソスほどではない
だって、ボク自分の容姿好きじゃないし


時は少し前に遡り、転校初日

ボクが先生に案内され入った教室

その瞬間、教室内がとても静かになった

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