取り戻したい・・愛

✫✫海愛


君嶋 陽翔さんに
なぜ話しかけて、
治療してあげたのか わからなかった。

マンションに着いたとき
陽子先生から電話が・・
「先生。今帰りましたよ。」
「海愛。遅かったのね。」
「風香の事、なにかわかりましたか?」
「それが、中々なの。」
「そうなんですね。
あっ、陽子先生、やくざって何やさん?」
「海愛。やくざをなんで?」
「今日、病院に居た家族の方が
ヤクザだ。と言ったのです。
綺麗な仕事ではないが
街の治安を守ったりしていると。」
「名前は?」
「君嶋 陽翔さんです。」
「君嶋?そう。
そうね、ヤクザとひとくくりに言っても
会社経営を表向きやったり
沢山の飲食店をやっていたり
街を守ったりしているけど。
中には悪いやつらもいるから
気を付けなさいよ」
「はい。でも君嶋さんは
優しい人でした。」
「まあ、珍しい
海愛が、私や風香以外の人の話を
するとか。」
「身長も大きくて
綺麗な顔をしていて
冷たそうなオーラをしているけど
家族の人を失うかと心配したらしく
拳を握りしめていて爪で酷い怪我を
して・・・・」
「ふーん。で、気になったんだ。」
「えっ、いや。そんなこと。」
「うふふっ、いいじゃない。
もう、海愛も二十歳なんだから
恋の一つや二つしないとね。」
「恋っ?もう、陽子先生
  そんなんじゃありません。」
「まあまあ、海愛。
ご飯食べて、ゆっくりしてね。」
「は~い。おやすみなさい。」
海愛は、陽子先生と話したが
本当に何故、君嶋さんの事が気になるのか
わからなかった。


陽子も
海愛との電話を切った後
大賀組に関係ある人かもしれないが
名字も違うし、様子を見ることにした。

あの海愛が、私達以外に興味を持ったのが
始めてだったから。
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