おはようからおやすみまで蕩けさせて
「私、安心しました。何か訳アリだと思うんですけど、元リーダーがホントに結実先輩を愛してるんだと分かってウレシかったです。
今度、冷却期間が終わったら先輩を温泉に連れて行ってあげて下さいね。沢山甘やかして、たっぷりと癒してあげて下さい」


本は貸してますからと言うので呆然としたま頷いた。
肩を竦めて商談へ戻る彼女を見送り、自分も人事部に足を向ける。


心では結実のことが気になって仕方ない。
だけど今は、雅也を信じて何もないことを願うしかできない。



(あーもう!俺はどうして異動なんて馬鹿なことをしたんだっ!)


いくら結実の願いを叶えたいからって、何故こんな不測の事態が生じることを予測もしなかった。


こんな時に守ってやれないなんて……



「結実…ごめん……」



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