Rewind
黒の奴隷
 
"おい!もっとしっかりしろ!だから、安い奴隷は!"
"あなたは高かったんだから休んでていいわよ"
そんな声が国の中を飛び回ってる。

城の地下には僕の家がある。
朝食のパンとスープを飲みながらあの時の事をふと思い出してしまう。
…あの時、僕には元々家族と言える人はいなかった。だけど、心優しい城の地下に住む奴隷の夫婦が拾ってくれた。その夫婦は僕には奴隷としてではなく普通に生きてもらいたいと願っていたから女王には隠して育てていたらしい。だけど、そんなこと長く続くはずなんてない。
ある日、僕は地下から出たくなって外につながってると言われてる道を一人で歩いていた。だか、その道は女王のいる大広場につながっていた。
女王はその時に珍しいものでも見るかのようにした。

女王 お前はこの国の者か?

「…はい。」

女王 ならば、なぜ私はあなたを知らないのです?

「…っ、それは…」

女王に淡々と冷たい声で言われ、言葉がつまる。お母さんが家から出ないでと言ったのはこうゆうことだったんだ。
そう思ってる時、バンッ!っとドアを開ける音がして後を見ると親が走ってきた。

お母さん どうか!この子は許して上げてください!どうか…殺さないで!

お母さんは涙ぐみながら僕を強く抱きしめながら枯れそうな声で叫ぶ。
お父さんは何も言わずに僕達の前に立った。

お父さん この二人はどうか見逃してください。

女王 なぜ、この子供の事を私は知らないのですか?

お父さん それは私達が匿っていたからです。

女王 こんな珍しいものを隠すなんてありえません。

そういって女王は何かを思いつきニヤリと笑った。

女王 そうだ、今日からその子供は私だけの奴隷です。
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