【完】もう一度、キミのとなりで。

改札を出て、待ち合わせをした駅の広場に着くと、もう外は少し薄暗かった。


もう帰る時間か……なんて、寂しい気持ちでいっぱいになる。


「あ、それじゃ私、ここで大丈夫だから。

今日はどうもありがとう」


家まで送ってもらうのも悪いなと思い、お礼を告げてその場で別れをきりだしたら、碧空くんはやっぱり優しいので「送るよ」と言ってくれた。


「いいよ、大丈夫だよ!まだ真っ暗じゃないし」


「いや、でも危ないから……」


言いかけて、少し考えたように黙る彼。


「ていうか、もうちょっと一緒にいられない?」


「えっ……?」


「よかったら、このあと花火しねぇ?」


まさかの誘いにドキンと胸が高鳴った。


花火って……。二人きりで?


どうしよう。まだ一緒にいられるんだ。


「う、うん!するっ!」


< 288 / 414 >

この作品をシェア

pagetop