【完】もう一度、キミのとなりで。

君の幸せ【side 碧空】


【side 碧空】


『ごめんなさい』


ハッキリとそう言われた。


蛍の声は震えていて、目も潤んでいた。


どうしてそんな泣きそうな顔してんだよ。


やっぱりもう、遅すぎたのか?


蛍は昔のことを気にしてるわけじゃないって言ってたけど、俺にはやっぱりそれが理由だとしか思えなかった。


あの時、夏休みに告白した時は、俺も怖くてすぐに答えが聞けなかった。


戸惑う蛍を見たら、少し臆病になって。


今すぐ振られたらさすがに身が持たねぇなと思って、返事は保留にしてもらった。


だけど、あの時すぐに返事を聞いておけばよかったのかもしれないと今は思う。


こんなふうに俺たちのことが噂になる前に聞いていたら、彼女の答えは違ったのかもしれない。


なんて、振られた俺の言い訳なのかな……。


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