円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~


「そんなにきれいな人なの?」
メアリーが興味を示してエリノアを見た。

私は、知らないわよ。
エリノアはジェスチャーで、
メアリーに答える。


母は、部屋の中でのんびり
構えてる娘二人を見た。

「メアリー、刺繍なんかしてる場合
じゃないでしょう?

リディアさんって言うんですって。
なんでも、その方のために、
ウィリアムは、予定を変更して、
プルームズベリーの屋敷に、
ずっと滞在してるって噂じゃないの。

これでは、うちのメアリーに、
申し込んでくれる前に、
アメリカ人を妻にするなんて言い出すんじゃないかい?」


エリノアは、我慢も限界に近付いてきた。

まるで、甥っ子が訪ねて来ないのは、
努力が足りないからだと
言わんばかりの言い草だ。

「だったら、お母様自身が
訪ねて行って、
本人にそういえばいいじゃないの」

「エリノア、お前は、
どうしていつも人ごとみたいに言うのさ」

「だって……」他人事だもん。

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