覚醒者3号-第二次調査報告-
更に。

「ぐぅうぅぅうっ!」

突然、体にとてつもない重圧がかかる。

まるで巨大な物体が、肩の上にのしかかってきたかのような感覚。

しかし実際には、俺の身には何ものしかかってはいない。

…にもかかわらず、俺の足元は何らかの負荷がかかり、地面へとめり込んでいく。

凄まじい重力によって、俺自身の体が数十倍の重量になっているかのように。

…1号が念動力によって、俺を頭上から押し潰そうとしているのだ。

ならば、この力場から脱出すれば…!

「おおおっ!」

気合の声と共に、俺は足元から発火能力による炎を発生させた。

それもただ発生させた訳ではない。

爆発的な勢いで、足元から炎を噴出させる!

いわばロケット噴射だ。

俺の体はミサイルのように上空十数メートルまで飛び上がる!

そんな俺を見上げる1号。

1号を見下ろす俺。

俺は。

「逃げられると思うな」

1号をひと睨みして、同時に眼前に無数の火球を発生させ、彼女目掛けて撃ち放つ!

対地ミサイルのように、赤い尾を引いて飛翔する無数の火球。

それを。

「ウはアハハハハハハハハハハハハはハハ!」

1号は念動力によって迎撃、ことごとく相殺していった。


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