覚醒者3号-第二次調査報告-
何となく、彼の手を見つめてしまう。

…この人の手もまた、黛さんのように温かく、優しい手なのだろうか。

そんな事を思うと、少し手を繋いでみたいような気がした。

「…どうした?」

小山田哲平の問いかけに対し。

「……」

私は無言で首を横に振った。














いつか、彼の手を握ってみたいと思う。

私が本当に人間らしく、人間としての尊厳をもって生きられるようになった、機関無き世界になった時に…。













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