BAD & BAD【Ⅱ】
「高校入学した頃くらい、だったかな」
ということは、1年前?
案外、最近なんだね。
「どうして神雷に入ろうと思ったの?」
「本当に調べ上げるつもりなんだね……」
何その、引きつった笑顔は。
そんな顔したって、私の事情聴取では黙秘権は使わせないよ。
「父さんの影響だよ」
へぇ、そうだったんだ。
小泉パパは神雷の先代だもんね。親に憧れるのはよくあることだ。
私も昔は、両親の強さが羨ましがってたんだっけ。懐かしいな。
「じゃあ次の質問ね。真修には……」
「あ、こっちの路地に行ってみようよ」
真修にはかっこいい異名があるのか聞こうとしたら、さらに人気のない路地に進んでいった。