零度の華 Ⅰ
その男達がテーブル席に座っているのに対して、あたしはカウンターへと腰をおろす
バーテンダーがあたしの前に立つと決まり文句のように聞かれる注文に、同じようにいつものと決まり文句で返す
分かっていたのか、すぐに用意されて目の前置かれるお酒に目を向ける
数秒見た後に、小声で話しかけた
『後ろの奴等ってどこの組の者だ?』
バーテンダーも同じく小声で答える
「乱櫻会-ランオウカイ-が左、深海組-シンカイグミ-が右でおそらく麻薬の取引だろうな」
このBARはほとんど取引や情報収集などに使われている
そして、あたしがここに来る目的は情報屋ICE(アイス)となり、殺し屋零(ゼロ)の橋渡し役をすること