俺を好きになってよ。
俺が守るよ。

翌朝。

私は重たい足取りで学校に向かう。
昨日の今日だから、絶対なんか言われるな…。

トホホ…憂鬱だよ…。

その予感は的中で。
学校に到着し、玄関に向かうまで学年関係なく視線が痛いです。

た、助けて〜!!

学年関係なくって、どんだけ南人気なのさ…!
恐るべし、南!!

「あの〜、あなた、南と同じクラスよね?」

「はい、そうですけど…あなたは…?」

気がつくと目の前には3人の美人さん方。

多分、この雰囲気からいくと3年生だろう。

3人の内の1人、真ん中にいるブラウンのロングを巻いてる人が声をかけてきた。

「私は、御守奈那(みもり なな)って言うの。よろしくね」

「よ、よろしくお願いします…」

華やかな笑みで言われたら男子だけじゃなく女子までイチコロだろうな…。

現に私、ドキッとしました!!

私はそのまま教室に行くため先輩方に軽く会釈をし、その横を通り過ぎる。

と、

「あなた、南と付き合ってるんだって?」

すれ違いざまに言われたセリフ。
その言葉に足を止める。

"南"

そう呼んでいるってことは…
この人は…

「私、南と付き合ってたの」

だと思いましたよ。

自慢しにきたんですか?たかが元カノでしょ。
だから何?

なんて言えるわけでもなく。
ああ、私も性格悪いな…。

って言うか、南の元カノだとしても私には関係ない。

だって私と南は付き合ってる"フリ"なんだから。

「そうですか…では」

「次はどれだけ続くのかしらね…?」

クスクスと御守先輩をとりまく2人が笑う。

御守先輩もさっきまでの笑顔ではなく、憎ましさを込めた笑顔だった。

そうか、この人、まだ…。

同情、という感情ではなく、この感情は…


「あんた達ねぇ…!」

苛立ち。

あームカつくなぁっ!
こういうのホント嫌い!




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