空に咲く花とキミを
大崎さんは小ネタをもちだしてからかうのが上手いから、油断できない。

「おはよ〜…初日から寝坊しちゃった。」

「お、うわさをすれば。」

城間くん……。

「なんですか、うわさって。」

「いや、華がね……。」

「ちょっと大崎さん!城間くん、あたし何にも言ってないからね!」

「あはは!何慌ててんだよ。」

大崎さんは、ひとり豪快に笑っていた。

ちらりと見た城間くんも笑っていて、その少年のような笑顔は、あたしをいつもときめかせる。

「……。」

1週間あったお盆休みは、会えなかった分たくさんのメールをした。

趣味の話からお互いの地元の話、音楽やファッション、学生時代や子供の頃の話まで……それは知らない時間を埋めるような内容ばかりで、付き合い始めたばかりのカップルになった、そんな錯覚さえ覚えた。

メールを介して毎日その笑顔が浮かんでいたあたしに、久しぶりという感情はなかった。

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