《完結》アーサ王子の君影草 中巻 ~幻夢の中に消えた白き花~
「やだ! なんにも教えてくれないのに、そんなのぜったいに嫌!!」
不機嫌時のセィシェルの勝手な指示に従えるほど物分りは良くない。そもそもお互い何処かむきになっている様に思った。
セィシェルは何故こんなにも不機嫌なのか。そしてスズランも何故ここまで強く反論しているのか……。冷静になろうとしてもセィシェルが普段よりあからさまに不機嫌で必要以上に過保護な理由がスズランには分からなかった。
「っ…何だよ! 俺はスズの事心配して言ってんだぞ? とにかくあいつだけは駄目だ。危ないから絶対に近づくんじゃあねぇぞ!」
「危ないってどういうこと? 何でだめなの?」
「……スズはまだ知らなくていい…」
心配して言ってくれているのは重々分かっていても駄目な理由を知りたいスズランは珍しく食い下がった。しかしセィシェルも明確に答えてくれない。
「わたし、もう子どもじゃないもん。それくらい教えてくれてもいいのに…! ……だったらあの人に一人で近づかなければいいんでしょ? お店のお手伝いはぜったいにするって決めてるんだから!」
それでも店の手伝いに関しては、何がなんでも引かない。頑としてセィシェルの顔を見つめた。
不機嫌時のセィシェルの勝手な指示に従えるほど物分りは良くない。そもそもお互い何処かむきになっている様に思った。
セィシェルは何故こんなにも不機嫌なのか。そしてスズランも何故ここまで強く反論しているのか……。冷静になろうとしてもセィシェルが普段よりあからさまに不機嫌で必要以上に過保護な理由がスズランには分からなかった。
「っ…何だよ! 俺はスズの事心配して言ってんだぞ? とにかくあいつだけは駄目だ。危ないから絶対に近づくんじゃあねぇぞ!」
「危ないってどういうこと? 何でだめなの?」
「……スズはまだ知らなくていい…」
心配して言ってくれているのは重々分かっていても駄目な理由を知りたいスズランは珍しく食い下がった。しかしセィシェルも明確に答えてくれない。
「わたし、もう子どもじゃないもん。それくらい教えてくれてもいいのに…! ……だったらあの人に一人で近づかなければいいんでしょ? お店のお手伝いはぜったいにするって決めてるんだから!」
それでも店の手伝いに関しては、何がなんでも引かない。頑としてセィシェルの顔を見つめた。