初恋カプチーノ


「そういえば、駅前にできた新しいカフェ知ってる?」


「うん!!」


「今から行かない??」


「行く!」


「じゃあ決まり!」


私達は学校であった話をしながらカフェまでの道を歩いた。


カランカラン。


お店の扉を開けるとベルが鳴り響いた。



「いらっしゃいませー!こちらへどうぞ。」



新しくできたそのカフェはドリームハウスという店名だった。



「わぁー。落ち着いてるね。」


「そうだね。」


のんは興味津々に店内を見回している。
そして店のメニューを見ながら注文を決めた。



私はカプチーノ。のんはロールケーキを頼んだ。


「あんずってカプチーノ好きなの?」


「うん。苦いけどまた違った甘みがあって好き」


「意外だな…あんずだったらココアとか飲んでそうなのに。」


「そうかな?よく言われるけど。」


「この店いいね雰囲気も良いし…店員さんも良いし!」


「店員さん?」


「うん。ほらあそこにいる人!めっちゃかっこよくない?アルバイトかなー?」



注文を受けている私達よりも少し年上くらいの背が高い男の人。


笑顔が優しくて明るくて眩しすぎるくらい…。
私とは正反対の人だな…。



どっちかというと私は地味で目立たないタイプだし、勉強も運動もできないのに。



なんだか太陽を真近で見ているみたい。
< 5 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop