そのキスで、覚えさせて









「遥希の、彼氏ご飯の時間です」




テレビから流れるその映像と、その声に悶えた。

明るい清潔なキッチンで、青いエプロン姿の彼が笑顔でこっちを向いている。




「今日のリクエストは、茨城県のリナさんからです」




そう言って彼は、届いた手紙を読み始めた。





『こんにちは、遥希さん。

いつもテレビ見ています。

もうすぐ彼氏の誕生日です。

彼氏の誕生日に、スペシャルな料理を作りたいです。

おすすめの肉料理、ありますか?』



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