【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
せっかくの学園祭なのに気分が落ち込む。
楽しそうなみんなが羨ましくなる。
校庭では花火大会が始まった。
先生たちが気をつけろと声を張り上げる。
まだ少し明るい空の下で、はしゃぐ男子たちを眺めながら自然とため息が零れる。
「しっかりしなよ、夏海」
「雪乃……」
校庭の端っこに座っていた私の隣に、ちょこんと座ってくる雪乃。
彼女の方が冷静で、立場が逆転したみたい。
「明日は秋も来るって。疾風くんも呼んだんでしょ?」
「うん、まあ」
「だったら、協力してくれるって。本番は1度きり。今からそんなんじゃ、失敗するよ?」
そうだよねって返してから、いつから私はこんなに女々しくなったんだと呆れてしまう。
周防夏海らしくない。
まるで人が変わったみたいで気持ち悪い。