【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
「待ちなさいよ!!」
私は歩き去る天使くんの襟首を掴む。転びそうになった所を捕まえて、しっかり振り向かせた。
「なにか用で――」
「これ!」
私は天使くんの手にそれを握らせる。
緊張して、不安で、みんなに見られているのが恥ずかしくて、普通じゃない心臓が体を暑くするから、汗で濡れてしまったそれが申し訳ないけど。
渡さないわけにはいかなかったから、私は彼に押し付けるようにそれを握らせた。
「これって……」
「お金。昨日、財布忘れて……あんなふうに払わせちゃったから。ごめん、本当に……っ」