ぼくのセカイ征服
「ここが山場の第三問!『PTSD』は何の略称でしょうか!?」
「『Post-traumatic stress disorder』…日本語訳は、『心的外傷後ストレス障害』ですね。」
「く…ッ!せ、正解…」

まだまだっ!ここで諦めてたまるかっ!

「いよいよ大詰め!第四問!『メーザー』、これは何の略称ですか!?」

ふははははははッ!どうだ!さすがにこれは答えられまい!メーザー自体が相当マイナーだからな!多少、大人げないような気がしないでもないが、いくら部員が足りないとはいえ、こんな意味不明な変態を部員にはしたくない。
まさに最後の手段だな。
まぁ、これを正解されても、もう一つ切り札があるのだが。どうやら、使う必要など…

「…『Microwave Amplification by means of Stimulated Emission of Radiation』…電子レンジなどに使われている可視光線の一種です。」
「うぐっ…正解…」

ないわけなかった。
普通に、軽々答えられた…。何て後輩だ。ここまで深い知識を持つとは、どれだけ変態なんだ、コイツは!?
え…?問題を出してる僕も変態?確かに、そうかもしれない…。何だかヘコむなぁ。
気を取り直して。
仕方無い…喰らえ、僕の切り札その2、を!

「いよいよ、これでラスト!1+1×2は!?」
「3ですね。」
「…………」

はい、せいかーい。え?勝負を捨てた?バカを言っちゃあいけません。これは、立派な引っ掛け問題なのだよ!焦っていると、4と答えてしまうという、悪魔的問題。
しかし、通用しなかった、か。
…ええい!男に二言は無い!こうなったら…!

「瓜生瞬牙君。貴方の入部を認めます。」
「やったあ!やりました!」

またその反応か。ワンパターンなヤツ。
しかし、この知識量(まだ一部しか判明してないが)と冷静さは、捨てたものではないな。いつか役に立つかも。
これで、不本意ながら、部員を一人確保だ!
嬉しいような、嬉しくないような。かな〜り、複雑な心境。
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