禁断の契約論


「だから、ブライトの存在は誰も知らない。」


「そうなのね…。ということはもしかして…」


「おそらくこのレッドローズ事件…ヴァンパイアの仕業かもしれないってことね。」


「嘘…でしょ……??」


「朱花音の気持ちもよく分かるわ…けれど、これが現実なのかも…」




私がまだ小等部2年生の頃。
今起きてる事と同じ事件が起こったんだ…。
その事件のせいでお姉ちゃんは……。



私の目の前で…ヴァンパイアになった。



野原 朱弥音(アヤネ)
私の双子のお姉ちゃん。


あの日お姉ちゃんは、私をかばうようにしてヴァンパイアに…。
そう…ブライトだったんだ。


あの時、私は気絶していて目が覚めた時にはもうお姉ちゃんの姿はどこにも無かった。



ヴァンパイアは夜更けには消える。



きっとお姉ちゃんは今、
魔界にいるのだろうか…。


血の契約が成立したのは1組だけと言っていたけどそれは、お姉ちゃんのことなんだ。

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