禁断の契約論
過去


~7年前~

「お姉ちゃん…本当に大丈夫なの?ここにいたら見つかっちゃうんじゃ?」



「朱花音…大丈夫!お姉ちゃんがついてる。」



「お姉ちゃん…怖いよ…。朱花音死んじゃうのかな…」



「……私が命にかえても守るから。」



「朱花音もお姉ちゃんを守る!」



「ありがとう」



カツン…カツン…



「来るよ…」



私達は階段下の倉庫に隠れていた。
真っ暗ですごく怖かった。



外では沢山の悲鳴が聞こえる…。



助けてと叫びつづけている声もだんだん小さくなっていく…。


この倉庫の外で沢山の生徒達がヴァンパイアに……



「こいつも駄目か。」



「…?!」



「残念ながらお前はブライトじゃないみたいだな。」



「や、誰かーーーっ!誰か助けて…」



「きゃーーーーっっっっ?!」



本当に目の前で誰かが助けを求めている。



「お、お姉ちゃん……。」


「大丈夫だよ。でもそろそろここに隠れていても見つかりそうね…朱花音、今から私の言うとおりに動いて」



「……分かった。どうすればいい?」



「私が合図したら講堂まで走って。決して止まっちゃダメよ。」



「うん。」



「それじゃ、行くよ…せーのっ!!!」



バンッッッ。



「…こんな所にも隠れていたのか…ハハハ」



「走ってっっっ!!!!」


「うんっっ!!!!」




私達は2人手を繋いで必死に講堂まで走る。


でも…。


「お姉ちゃん…!追ってきてるよ!!」



「だ、大丈夫よ!後見ちゃダメ!」



「…!」



右手が急に冷たくなった。
さっきまであんなに暖かかったのに。
それに今誰かが私の背中を押した…??



私は後ろを振り返る…



「お、お姉ちゃんっっっっ!?!?!?」



「…朱花音……早く…逃げて…!!」



「このままじゃ、あんたまで…!」



「嫌だよ!お姉ちゃん一緒に逃げるんでしょっ?!」
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