呪われ姫と強運の髭騎士
目を白黒させるソニアに気づいてクリスはコホン、と一つ咳払いをした。
「この姿には理由がありましてな」
「理由、とは?」
「実は私の祖父の遺言なのです」
「……遺言?」
「はい。祖父も短髪で髭という姿を生涯通して過ごされました。祖父も騎士でありましたが、騎士でありながら首を敵に見せることを恐れてはおりませんでした」
ソニアは首を傾げた。
「首を敵に見せてはいけないのですか?」
「髪は、自分の首を守る意味でも伸ばすのが騎士の常識と言われております。勿論、騎士だけでなく戦いに出向く者は皆そうです」
「まあ! そうだったんですか」
知らなかった、そんな大事な意味があったとは。
「なのに、クリス様のお祖父様は髪の毛を?」
「ええ、自分を奮い立たせる意味もあったのでそうしたと。それが功を奏したのか「ディヤマン」を頂ける騎士となりましたね」
「クリス様の家系は、騎士なのでしたね」
レオンス国は騎士も世襲制だ。
だが、王家と同じように長子が継ぐことになっている。
「この姿には理由がありましてな」
「理由、とは?」
「実は私の祖父の遺言なのです」
「……遺言?」
「はい。祖父も短髪で髭という姿を生涯通して過ごされました。祖父も騎士でありましたが、騎士でありながら首を敵に見せることを恐れてはおりませんでした」
ソニアは首を傾げた。
「首を敵に見せてはいけないのですか?」
「髪は、自分の首を守る意味でも伸ばすのが騎士の常識と言われております。勿論、騎士だけでなく戦いに出向く者は皆そうです」
「まあ! そうだったんですか」
知らなかった、そんな大事な意味があったとは。
「なのに、クリス様のお祖父様は髪の毛を?」
「ええ、自分を奮い立たせる意味もあったのでそうしたと。それが功を奏したのか「ディヤマン」を頂ける騎士となりましたね」
「クリス様の家系は、騎士なのでしたね」
レオンス国は騎士も世襲制だ。
だが、王家と同じように長子が継ぐことになっている。