呪われ姫と強運の髭騎士
◇◇◇◇
 
 日が傾く前に、シスターと別れを告げソニアは、夏至祭の招待を受けた王宮へと馬車を走らせる。
 
 勿論パメラも一緒だ。
 
 パメラはお付きの侍女として、襟高のナイルブルー色にパフスリーブの袖、ローウエストの襞のないドレスを着込んでいた。

 質素なデザインでソニアが不満を漏らし、襟に真っ白な大きなレースの付け襟を足して若々しさを出した。

「……可愛いけど、こんな良いのに……」
 
 パメラが、高級そうな襟を摘まんで口を尖らすのを見てソニアは、

「良いの!  これからどんな出会いがあるか分からないのよ?  気を抜かずにこうやってお洒落心を出さないと!」
と摘まんだ襟を整えてやる。

「そうね! ソニアのお付きの侍女となれば、きっと数多くの有力な素敵な方達とお目通りが出来そう!」
 
 恋愛話になると途端パメラの目が輝く。恋愛に結婚は諦めないと態度が語っている。
 
 修道院にいた頃の彼女と変わっていなくて、ソニアは苦笑した。
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