呪われ姫と強運の髭騎士
「まあ、私の場合は『加護魔法』が使えますので、それのお陰もあるでしょう」
 
 クリスの付け足しに、ソニアは「なるほど」と頷き周囲も納得して、さっさとシャンデリアの片付けを始める。

「ソニア様、大丈夫ですか?」
 
 侍女頭がクリスと共にソニアを立たせる。

「ええ、私は大丈夫。――でも、いきなりシャンデリアが落ちるなんて……」

「燭台が幾つか割れておりましたので、つい最近外して取り替えたのです。もしかしたら、天井の止め金が緩かったのかもしれません」
 
 今度はきつく締めるよう注意しておきます。そう執事頭が告げた。

 

 ――しかし、これを皮切りにクリスに厄災が降りかかってくることになったのだった――
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