君は僕のもの




「…ねっ!ねっ!

出来たらしいよぉ!…ウェイターの制服っ」



文化祭も後わずかで訪れるっていう感じのある日、

トイレの鏡で髪を直していた時、突然入ってきた美菜が嬉しそうにピョンピョン跳ねながらそう言った。




「えっ!!

やっと出来たんだぁ!」


美菜の嬉しさがあたしに移ったように、あたしもテンションが急に上がる。



そのまま美菜に腕を引かれて教室に戻ると、そこには何着かのウェイター用の制服置いてあった。





「あっ、早川さんはこっち…、愛梨ちゃんはこれねっ」


クラスの女の子たちがあたしたちにそう言って制服を差し出してくれた。




美菜のことを名前で呼ぶ子って、あんまりいないんだよね…

ちょっと怖いってみんなは思ってるみたいだけど、本当はまったくそんな事ないのに。



頭の中でそんなことを考えながらその制服を持って更衣室へ向かう。




「アレンジして作ったんだってー!


…凄いよね、こうゆうの出来る人ってさぁ」


何だか美菜は興奮気味だ。

でもそんな美菜を見てあたしも嬉しくなる。




「そうだよねっ、あたしなんか絶対に出来ないなぁ…」

こんな細かい作業っていうか、家庭科的なことは苦手。


あっ、

でも料理とかは得意なんだよっ?




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