キミの音を聴きたくて


いらない。



お姉ちゃんがいないのなら。
歌えないのなら。



もうこの世の全ていらない。
存在する意味なんてない。



そう思うほどに、それらは大切な私の生きがいだった。




だから生きている意味は、見つけられずにいる。



どうしてお姉ちゃんだったんだろう。



お姉ちゃんよりも私の方が、失われて当然の存在に違いないのに。




でも、今の私は違う。



あの日からもう3年以上経っているんだから。
いつまでも立ち止まっているわけにはいかない。



……なんて、踏み出す勇気もない私が決心することでもないけれど。

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