恋する猫と魔法使い

新しい世界



【カンナ】



アタシの頬を暖かい風が優しく撫で目を覚ます。

アタシの目の前で茶髪の男の子(ナツカと同じ年くらいだろうか)が不思議そうに寝起きのアタシの顔をじっと見ている。


「こんなところで寝ていたら風邪引いちゃうよ?寝顔、可愛かったけど…。」


アタシは彼の何気なく発したであろう言葉に驚いてしまう。

すると、彼はクスッと笑って見せた。

次に彼は頬を少し赤らめて混乱しているアタシに言ってきた。


「なんだろう、この気持ち…。一目惚れっていうの?」


――そ、そんなこと。アタシに言われたって、知らないよ…。

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