恋する猫と魔法使い
☪️第2章☪️

黒の限界

【ゾラ】

白猫ちゃんを見送った後、俺は今まで身を隠していた棺桶のような箱の中から出て周りを見渡した。

アランとルカさんによる激しい魔法の力のぶつかり合いで、魔法使い界は随分と歪んでしまった。


――さて、ここはどこなのだろうか。


逃げるのに必死で無我夢中だった俺は周りの様子など鮮明に覚えているわけがない。

ミアとも別々の行動をとっていたせいで逸れてしまったのだ。


「ゾラくーん‼」


本当に俺が困り果てていた頃、遠くで俺の名前を呼ぶ聞きなれた声がした。

声のする方を振り向くと、ミアがこちらへ向かって近づいてくるのがわかった。

ミアは俺の正面に立つと少し呆れた様子で一枚の紙を俺に差し出す。
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