俺と君との愛笑歌
第1章〜その女子、男前なり〜
俺と君が出会ったのは高校1年の時の春だった。


〜入学式〜

「おーい!葉行くぞ!!」

俺は“八城蓮”。家の玄関を勢いよく飛び出しながら呼びかける。

「ま、待ってよ〜蓮ちゃん!」

後から来たのは俺の双子の兄“八城葉”俺とは真逆の性格で大人しく見た目も女みたいでよく男に女と間違えられて告白されてる。

「葉が遅いんだろ〜?」
「蓮ちゃんが早いんだって!」

レベルの低い言い争いをしながら通学路を歩く。

「同じクラスかな?」
「さぁな、同じくクラスかもな」
「蓮ちゃんは僕と一緒じゃ嫌?」
「葉は俺離れした方がいいんじゃないのか?w」
「答えになってないよ!」

拗ねて頬を膨らませる葉の頭を軽く撫でてから笑ってやる。

「葉と一緒がいいに決まってんじゃん」
「ふふ、そうだと思った」

そんな話をしているうちに高校に着いた。

高校にはいろんな人がいた。親と来ている子。友達とはしゃいでる子。桜の木にもたれてる子。

「…ん?」
「あ、たっくんだ」

見知った顔を見つけた。その人物は女の子に囲まれていた。

「拓真く〜ん!写真撮らない?」
「あ、ずっる〜い!私とも撮って〜」
「わかったわかった。順番なw」

これがいわゆるモテ男か。


「おーい、拓真。何やってんだよ」


女の子に、囲まれた男に近づき肩に手を置く。

「げ、その空気の読めなさは蓮だろ」
「お、せーかい!パチパチw」
「お前はいっつもイラつかせに来るよな」

こいつは“吉井拓真”俺と葉の幼馴染みである。見てわかるとおり、チャラくて女の子には人気だ。そう、女の子には。

「たっくん。女の子ばっかと遊んでるから男の友達が出来ないんだよ?」
「母親みたいに諭すのやめろ!」
「寂しいなら俺たちと一緒に来りゃ良かったのによ」
「仲間はずれになんてしないよ?」
「いつまでも幼馴染みと一緒にいると思うなよ!」


「ちょっとあんた達なんなの?!」


拓真を囲んでいた女の子の1人が突っかかってきた。

「なにって、幼馴染みだけど」
「お、幼馴染みだからって、調子にのらないでくれない?」
「は?何いってんの?俺がこいつと幼馴染みだから調子に乗るとか気持ち悪いこと言わないでくれる?」

こんなチャラ男と幼馴染みっていいことないからな?!

「羨ましいなら言いなよ。口の悪い女の子は嫌われるよ」
「っ…!」
「おいおい蓮。女の子には優しくすんじゃねぇのかよ」
「俺に害がない場合はな?今回は例外だろ?」
「蓮ちゃん、本当に自分に害与える子には容赦ないんだから…」
「俺はこんなチャラ男にキャーキャー言うのはやめた方がいいと思う。人生損よ?」
「蓮、しばくぞ」
「俺はそんな怖い顔してる子より笑ってること仲良くなりたいからさ」

俺が笑うとなぜか女の子たちが顔を赤く染めた。

「…女のくせに女キラーとか…」
「背も高めで顔も中性的だからね〜」

「ん?なんで赤いの?」

俺には理解できないことばっかだわw
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