エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
 だが、そんな美佐子を父大輔だけはとても可愛がったらしい。

 一人娘だし、特に特異体質に生まれた事が親としては、申し訳ない思いで、その分、愛でてやる事で償っているつもりだったのかもしれなかった。

 しかし、最悪な事に母親は美佐子につらくあたった。

 同じ女として恥ずかしいといわんばかりの軽蔑の眼差しと放任。

 この事がトラウマとなり、今も美佐子を苦しめているのだ。
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