エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
 しかし、他にいい方法があるとは思えない大輔は、美佐子に賛同するしかなかった。

「分かった。それじゃあアレが死んで、すぐにでもやった方がいい。ただし人の出入りが収まってからだ。ワシはスキャンダルが一番の命取りだからな!」

「もちろん分かっています。」

 この時二人は、話しに夢中になっていて、ドアの向こうで話しを盗み聞きする女の気配には気付かなかった。
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