強制両想い彼氏
優しい彼氏

「お」 私の姿に気付いた彼が小さく手をあげる。


「おはよ」


眩しくてキラキラした太陽みたいな笑顔で、今日も彼はいつもの席に座ってにいた。


朝の通学途中の少し人の多い電車。前から2車両目。彼はいつも入り口近くの席に座っている。


「おはよう皐月(サツキ)くん!」


私が駆け寄ると、彼は立ち上がって席を譲ってくれた。


「ここ座りな」

「えっ!いいよ悪いよ!私は大丈夫だから皐月くん座って!」

「じゃあ俺の膝の上座る?そしたら2人で座れるよ」

「そ……それは恥ずかしい」

「冗談だよ。ほら、いいから座れって」


皐月くんは自分が座っていた席に私を座らせると、満足そうに小さく微笑んだ。
あまりに私を愛しそうに見つめるから、恥ずかしくて思わず俯く。

でも、私は皐月くんのこの表情が大好き。



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