吸血鬼な王子様






緊張のせいで、泣きそうだった。



一生懸命絞り出した言葉だった。



その瞬間、彼が私の肩を抱き寄せた。





「俺、すっげー不器用だし、恋人とか今までできたことないから、困らせちゃうかもしんないけど……大切にします」






彼の腕の中、私は顔を真っ赤にした。



嬉しかった。



私を好きだと言ってくれる人がこの世にいたなんて。



私も、聖太くんを大切にしたい。ううん、大切にする。




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