シンママな私のタイムスリップ

時は流れ、私は市役所に居た

「お子さんの親権は2人ともお母さんですね。
養育費のお話しはされましたか?」

養育費…そんなのあの人が払ってくれるわけないじゃん

「いいえ」
首を振りながら私は答えた

「養育費や面会交流はお子様の権利です。
しっかり話されてから、届けを出しても遅くないと思います」

窓口のお姉さんは真剣だ
でも、私だって…

「大丈夫です。」

私はお姉さんの目を見ながらしっかり答えた

彼と一緒に居ても何も得なことはない

ただ、この時のお姉さんの真剣な眼差しを断った事を後に後悔する。

「受理しました。
次は児童福祉課に行き、児童手当の変更などを行なって下さい」

離婚届を出しただけでは、子連れ離婚は終わらない

色んな手続きや、子供達の苗字の変更で裁判所にまで行かなければならないらしい…

小さい子供達を連れて、市役所に来るのでもいっぱいいっぱいなのに…

自分達の親には自分で伝えた

残業続きの旦那…労わなければいけないとは思ってた。
ただ、つわりや夜泣き…疲れて夕食も作らずスーパーの惣菜を

チンして食べて下さい

の置き手紙を残して先に寝る毎日だった

徐々に旦那の帰りは遅くなり、
友人経由でパチンコ通いして居た事を知った

自分の家事のできない事を棚に上げ、許せなかった

私の妊娠中にギャンブルなんて…

出産当日も仕事だと立ち会いを拒んだあの人を

許せなかった

離婚届を渡されてから、市役所に提出するまで衝動的に行動していたと思う

ただただ許せなかった

親の都合で片親にしてしまった子供達…

産まなければ良かった

そう思った瞬間
はっと我に返った。
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