青野君の犬になりたい

やっぱり青野君の犬になりたい

「それって、今度こそのろけよね」
銀座のカフェでストロベリーパフェの生クリームを口に運びながら、英子がちらっと睨んでくる。
私は一旦持ち上げたカフェラテのカップをテーブルに戻し、「うん、のろけ」と正直に答えた。
「へえー、奇跡って起こるもんなのねえ。でもほかの強力な彼女たちはどうしたのよ。まさか4番目として復活したわけじゃないわよね?」
「彼女たちとは彼氏契約を取りやめたんだって」
「彼氏契約?」
「うん。最初から青野君に本当の彼女ができるまでっていう約束だったらしい」
「ふうん。でも彼女たちは自分が本命になるつもり満々だった。でも結局失敗したってことか」
パフェ用の長いスプーンを私の方に向けて振り回し、英子が推理する。
「そうなのかな」
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